第42回日本毒性学会学術年会を平成27年6月29日(月)〜7月1日(水)の3日間にわたり、金沢市で開催することになりました。日本海側での学術年会開催は、平成8年に小栗一太先生が福岡で開催されて以来19年ぶり2回目となります。金沢の伝統美と北陸の幸に囲まれた環境で、皆様が研究情報を交換し、日頃の研鑽の結果を発表し、心ゆくまで毒性学の明日を語り合えるような年会になるよう、全力を挙げて準備をしたいと考えています。
現代社会の生活は、医薬品、農薬、食品添加物など様々な化学物質の有用な作用を活用して成立しています。同時に、私たちはそうした化学物質が潜在的に持っている危険性、すなわち毒性にも曝されています。特に、環境汚染物質のように環境中に存在するものについては、私たちはそれを完全に避けて生活することは不可能です。化学物質と生体・環境の関係を明らかにする毒性学の役割は、化学物質から人の健康と環境を衛る研究領域として、きわめて重要です。
そこで本学術年会では「健康と環境を衛る毒性学」をテーマとし、医薬品毒性学、法中毒学、環境毒性学など幅広い研究分野の研究者が総合的に研究討議を行い、毒性学と毒性学会の更なる発展の機会にしたいと考えています。特別講演、教育講演、シンポジウム、ワークショップ、本部企画、一般講演、共催セミナー、などを予定しております。35歳以下の若手研究者を対象に優秀研究発表賞も募集します。毒性学の未来を担う学生会員に対する取り組みも考えています。学術年会前日には、第13回市民公開セミナーおよび本学会教育委員会の生涯教育講習会も開催されます。多数のご参加をお待ちしています。
本学術年会が開催される平成27年春には、北陸新幹線が開通します。西日本の先生方はこれまで通りのアクセスとなりますが、東日本の先生方には東京〜金沢間を約2時間30分で結ぶ北陸新幹線は、快適なアクセスを提供するでしょう。本学術年会の会場は、JR金沢駅から徒歩で2〜3分のところにあります。伝統ある美しい金沢の地で、実り豊かな学術の交流が行われることを祈念し、皆様をお待ちしております。